高市首相、来春に訪米し首脳会談で調整 日中関係の悪化も意識

2025/12/18 15:21 

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 政府は、高市早苗首相が来春に訪米し、トランプ米大統領と会談する調整に入った。複数の日本政府関係者への取材で18日、判明した。日中関係が首相の台湾有事を巡る国会答弁で悪化しているのも意識した対応。トランプ氏が来年4月に予定する訪中を見据え、強固な日米同盟や経済安全保障上の連携強化を確認する。

 首相は17日の記者会見で「トランプ氏との会談はできるだけ早期に行いたい」と強い意欲を示していた。与野党内には1月にスイスで開かれる世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に合わせた日米首脳会談を求める声もあるが、首相周辺は国際会議の際の会談でなく、2国間訪問の形で経済や安保など幅広い分野での協力を話し合いたい考え。

 首脳会談では日本の防衛力の増強方針を示し、日米同盟の抑止力の強化を確認したい考え。日米関税交渉で約束した対米投資の推進、中国に依存するレアアース(希土類)など重要鉱物の供給網の多角化に向けた協力なども議題になる可能性がある。日本政府は首相訪米時の成果について検討を進める。

 中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射を巡っては、ヘグセス米国防長官が深刻な懸念を示したものの、トランプ氏は明確な姿勢を示さず、中国に配慮しているとみられる。このため、政府内には安定的な日米関係を改めて確認するため、首相の訪米をトランプ氏の訪中前に実施すべきだとの声もある。【田所柳子】

毎日新聞

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