日本版CFIUS創設へ 高市首相肝いり、国内企業の技術流出防ぐ

2026/01/07 20:35 

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 政府は、財務省、経済産業省、国家安全保障局(NSS)などでつくる「対日外国投資委員会」を6月にも創設し、海外企業・投資家らによる日本企業への投資に関する事前審査を強化する。経済安全保障上のリスクが高い個別案件については関係省庁の意見照会を義務付け、インテリジェンス(情報収集・分析)部局と連携する方針だ。米国の対米外国投資委員会(CFIUS)にならって「日本版CFIUS」と位置付け、国内企業の技術や情報の流出を防ぐ。通常国会で外為法改正案を提出する。

 現行の審査は、財務省と事業所管省庁が実施している。原子力や航空機など国の安全の観点で重要な「指定業種」について、外国の投資家が日本の上場企業の株式を1%以上取得する場合などに、原則として財務省と事業所管省庁に事前に届け出る。審査で問題があれば、内容の変更や中止の勧告・命令ができ、従わない場合は株式売却などの措置命令ができる。

 ただ、これまで外国の投資家による投資の中止を勧告・命令したケースは2008年の1例にとどまる。関係省庁会議も課長級が情報交換する程度だった。24年度の事前届け出件数は2903件に上ったが、財務省の審査体制は60人強にすぎず、今後は審査対象を絞り込み、人員も140人規模に拡充する予定だ。

 今回の改正では、内閣官房の内閣情報調査室(内調)や、内調を格上げし創設される方針の「国家情報局」と連携する。政府関係者は「ポイントは法律上根拠のある会議体にして、関係者全員に参加意識と責任を負わせることにある。内調や国家情報局の情報をもとに判断できるようになることも大きい」と説明する。

 財務相の諮問機関、関税・外国為替等審議会は7日、日本版CFIUSについて「安全保障関連部局などと協力して審査を行う省庁横断的な体制を強化することが適当である」とする答申を片山さつき財務相に提出した。

 日本版CFIUSは高市早苗首相の肝いり政策で、自民党と日本維新の会との連立政権合意書でも創設を目指すと明記されていた。【山下貴史】

毎日新聞

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