「維新の茶番」「奇襲かけるとは」 大阪ダブル選、党内外で冷ややか
すわ衆院解散かというタイミングで急浮上した出直し大阪府知事・大阪市長ダブル選。吉村洋文知事(日本維新の会代表)と横山英幸市長(同副代表)は、住民投票で2度否決された「大阪都構想」を三たび問うため、推進の信任を得たい考えだ。15日に記者会見して表明する見通し。
一方、他党の反応は冷ややかで、自民、公明、立憲民主各党は対抗馬の擁立を見送る方向で調整している。共産党は週内に擁立の可否を決定する方針だ。
「出直し選で都構想の民意を問いたい」。ある維新幹部は13日午後、吉村氏から電話でそう伝えられたという。その夜、報道陣に囲まれた吉村氏は「15日夕方までにしっかり考えて最終的に結論を出したい。また記者会見します」と言い残して府庁を後にした。14日には、党内で15日夕から緊急会議を開くことが通知された。
◇維新内部でも「時期尚早」
大阪市を廃止して特別区を設置する都構想は維新の看板政策だが、2015年と20年の住民投票でいずれも否決されている。それゆえ、維新内部には出直し選は「時期尚早」との見方も根強い。
「準備時間もない中で奇襲をかけるなんて、知事選は常在戦場の衆院選とは違うでしょ」。維新府議の一人はそう語り、「対抗馬がいないと議論は盛り上がらない。それでは民意を得たとは言えない」と否定的な考えを示した。
ある維新国会議員は「都構想実現には住民投票で過半数を得る必要がある。身内すら納得させられなくて、市民にどう伝えるのか」と疑問を呈し、「住民投票を見据えれば、やり方はもう少し考えてもよい気はする」と語った。
一方、別の国会議員は衆院解散に合わせたダブル選を評価する。「都構想をやるために信を問うプロセスは悪くない。副首都が争点になるだろう衆院選と合わせた選挙は戦いやすい」と歓迎した。
◇公明幹部「市民をばかにしている」
公明は20年の住民投票で、維新が衆院選で公明現職がいる関西6小選挙区への候補擁立を見送ることと引き換えに賛成に転じた。しかし、24年の前回衆院選では維新と全面対決し、大阪の4選挙区で全敗。維新との関係には大きな亀裂ができ、3度目の住民投票にも否定的だ。
公明府本部幹事長の土岐恭生・大阪市議は「市民の重い判断が2度下されているのにもう一回、というのはあまりにも市民をばかにしている。スケジュールもタイトで極めて強引、身勝手だ。大義のない選挙には付き合えない」と一蹴した。
都構想に反対の姿勢を貫いてきた自民府連。会長の松川るい参院議員は「投開票まで1カ月もないなか、出直し選で都構想推進の民意を得る筋書きは無理がある。27年の統一地方選で堂々とやればよい」と静観の構え。府連幹部は「維新の茶番に付き合う必要はない」と突き放した。
立憲府連幹事長の野村生代・枚方市議は「(吉村氏は)『再挑戦しない』と言っていたのに、よく簡単にひっくり返せますねと言いたい」とあきれ気味。共産府委員会の今泉和幸書記長も「なぜ出直し選をやるのか意味が分からない」と語った。【鈴木拓也、面川美栄、長沼辰哉、高良駿輔】
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