他国と開発した防衛装備品、第三国への輸出容認へ 政府・与党が調整
防衛装備品の移転(輸出)を巡り、政府・与党が他国とともに開発した国際共同開発・生産品について、パートナー国以外の第三国への完成品の輸出を認める方向で調整していることが、複数の政府・与党関係者への取材で明らかになった。政府・与党は、防衛装備移転三原則の運用指針で定められた武器輸出を非戦闘目的に限定する「5類型」の撤廃に向けて議論を進めており、あわせて国際共同開発・生産品の輸出拡大も可能にする。法改正などは必要なく、運用指針の見直しで実現するが、自民党は衆院選の公約で「防衛装備移転については、平和国家としての理念を堅持する」とも言及しており、歯止めが課題となる。
自民と日本維新の会は昨年12月、安全保障政策に関する与党協議の初会合で、国産の武器輸出を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」に限る「5類型」の撤廃方針で一致した。関係者によると、自民は今年3月中旬までに議論を取りまとめ、3月19日に予定される日米首脳会談前に政府へ提言する見通し。
国際共同開発・生産品について、政府は2024年3月に英国、イタリアと開発する次期戦闘機の共同開発計画「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」に限って第三国輸出を解禁するよう運用指針を改正した。
今回、次期戦闘機以外の国際共同開発・生産品の第三国輸出も認めるのは、ロシアによるウクライナ侵攻や軍事力を増強する中国の台頭など世界的に安全保障環境が厳しさを増す中、防衛装備品のサプライチェーン(供給網)強化や自衛隊の継戦能力の向上を図る狙いがあるとみられる。防衛省関係者は「世界の安全保障に関するサプライチェーンを見たとき、日本もその中に入らなければ物品の供給が追いつかなくなる危機感がある。サプライチェーン強化は多国間で取り組むべきだ」と強調する。
一方、政府・与党内では武器輸出の拡大に懸念の声が出ることを念頭に「歯止め策」も議論されている。
与党関係者によると、国際共同開発・生産品の輸出先は「防衛装備品・技術移転協定」の締結国に限る方針。輸出に際しては国家安全保障会議(NSC)で閣僚の了解を得るほか、殺傷能力が高い武器に関しては閣議決定を要する案が検討されている。また、国会への事後報告を新たに定める案も浮上している。【竹内望、遠藤修平】
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