日本単独で石油備蓄放出へ 高市首相が表明 16日にも
高市早苗首相は11日夜、イラン情勢の悪化を受けて16日にも石油備蓄を放出すると表明した。まずは民間備蓄15日分を先行させ、国家備蓄も当面1カ月分放出する。国際エネルギー機関(IEA)の加盟各国による協調放出ではなく、日本単独で放出を決めるのは極めて異例だ。
石油備蓄の放出は、ロシアによるウクライナ侵攻後の2022年以来、約4年ぶり。この時はIEAによる協調放出の一環だった。石油備蓄法は政府や民間に石油の備蓄を義務付けており、25年末時点で254日分が備蓄されている。
日本は原油輸入の94%をサウジアラビアなどの中東に依存している。多くの石油タンカーが通航するホルムズ海峡が事実上封鎖され、エネルギーの安定供給への懸念が強まっていた。
首相は「今月下旬以降、我が国への原油輸入は大幅に減少する見通しだ」と説明。ガソリンなどの石油製品の供給に支障が生じないよう主要7カ国(G7)やIEAとも連携する考えを強調した。その上で「国際的な備蓄放出の正式決定を待たず、我が国が率先して、国際エネルギー市場における需給の緩和に向けて備蓄放出を行うことを決定した」と述べた。
また、首相は原油高騰でガソリン価格の上昇が見込まれることから、小売価格を全国平均で170円程度に抑制することなどを盛り込んだ緊急的な激変緩和措置を早急に実施するよう、赤沢亮正経済産業相に指示したことも明らかにした。経産省は19日から実施する。
首相は軽油や重油、灯油などについても同様の激変緩和措置を講じるとし、「国民の生活を支えるべく、今後とも支援のあり方は柔軟に検討していく」と語った。【神山恵、中島昭浩、渡辺暢】
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