純度100%の地球外物質にDNA塩基 生命の起源探究は新局面に
米航空宇宙局(NASA)の探査機「オシリス・レックス」が小惑星ベンヌから地球へ持ち帰った砂や石から、DNAとRNAを構成する5種類の核酸塩基がすべて見つかったと、NASAなどが29日、英科学誌ネイチャーの姉妹誌に発表した。
私たち地球生命の起源を巡る学説はいくつかある。別の天体で化学反応によって作り出された有機物が隕石(いんせき)などに混じって原始の地球に運ばれ、生命の種になったとする「パンスペルミア説」はその一つだ。
日本の探査機「はやぶさ2」が試料を持ち帰った小惑星リュウグウや、オシリス・レックスが訪れた小惑星ベンヌなどは、そんな隕石の「古里」と考えられる。
小惑星から持ち帰った砂や石は、地球の有機物の混入がない純度100%の地球外物質だ。そこに、核酸塩基やアミノ酸など生命の材料となりうる有機物が検出された意義は大きい。豊富な有機物の存在は、それを支える巨大な分子群がどうやら地球近傍に広く存在している可能性をうかがわせる。パンスペルミア説を強く後押しする成果だ。
ただし、こうした有機物がどう生命に結びついたかを解明するには高い壁がある。有機物の解析を担当した海洋研究開発機構の高野淑識(よしのり)・上席研究員は「ガラクタのような物質から、最初の生命へとつながる分子進化の引き金がどこかのタイミングで引かれたはずだ」と語る。
2024年のノーベル化学賞を受賞した、たんぱく質の構造を高精度で予測する人工知能(AI)技術などを活用し、リュウグウやベンヌの有機物のデータから、「引き金」を探る研究は既に始まっている。これまでもっぱら地上に落ちた隕石頼みだった地球生命の起源に迫る研究は、小惑星リュウグウとベンヌからのサンプルリターン成功によって、新たな局面を迎えている。【垂水友里香】
-
JR山手線渋谷駅で人身事故 外回りの運転見合わせ
30日午後9時半ごろ、JR山手線渋谷駅(東京都渋谷区)の構内で人身事故が発生した。JR東日本によると、この事故の影響で、外回りの運転を見合わせた。運転再開は午…社 会 1時間前 毎日新聞
-
埼玉の道路陥没、市民生活に影響 一部で回線使えず、下水道使用制限
埼玉県八潮市二丁目の県道54号交差点の陥没事故は30日、発生から3日目を迎えた。県は現場付近で実施した道路下の調査の結果、新たに危険な空洞は確認されなかったと…社 会 3時間前 毎日新聞
-
「不開示もうやめて」 赤木さん妻、遺影手にし涙 森友文書判決
なぜ夫は死に追い込まれたのか。森友学園への国有地売却を巡る公文書改ざん問題で、赤木俊夫さん(当時54歳)の妻雅子さん(53)は、司法の場で明らかにしようとして…社 会 3時間前 毎日新聞
-
大阪府のダブルケア支援会議が初会合 部署の垣根越え、支援策検討
子育てと家族の介護が重なる「ダブルケア」を巡り、大阪府は30日、関係部局が集まった「ケアラー支援関係会議」を立ち上げ、初めての会合を開いた。今後、各部署が連携…社 会 4時間前 毎日新聞
-
「AIは特許の発明者」認めず 知財高裁「発明者は人に限られる」
人工知能(AI)が特許の発明者になり得るかが争われた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は30日、AI開発者側を敗訴とした1審・東京地裁判決(2024年5月)を支持し…社 会 4時間前 毎日新聞