<デジタルを捨てよ 町へ出よう!>令和の「クラシックカメラ」でモデル撮影 「大人の科学」で…

2025/02/24 07:00 

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 特に40代以上には「科学と学習」で知られた学研(現学研ホールディングス)に取材に行った写真記者から手渡されました。「これで撮影してみてください」。拝見すると、玩具みたいな二眼レフ。どれどれ。うん、簡単に使えそうだ。矢継ぎ早に言われました。「モデルも、用意しております」。頭の中に「?」が渦巻きます。このコーナーで、モデル撮影なんかやったことないから。ま、番外編らしくていいか。レッツ、トライ!【中村琢磨】

 渡されたカメラを手にして、即座に理解しました。開発者は、どこかで、「昭和」を懐かしんでいますね。今時こんな「面倒臭いアナログ」がうけるわけありません。開発者の“自己満足”と言ったら言い過ぎでしょうか。

 えっ、「俺も、その自己満足、理解できるな」だって? ハッハッハ、実は多くの人(特に高齢者)が今のハイテク世界に不満なのですよ。私なんてマイナンバーカードにも、スマホ決済にもついていけません。というかハイテクに振り回されたくありませんね。少なくともこれが発売されたということは「面倒くさいアナログ」は案外、人の心をつかむってことでしょう。

 既に組み立てられた状態で預かったのですが、絞りはf16でシャッタースピードは100分の1秒ぐらいと予想しました。テスト撮影を兼ねて、期限切れのカラーフィルムでまずは風景をパチリ。なぜか中心部のピントが甘いけど多分、個体差が大きいのでしょう。

 これはご愛嬌(あいきょう)ってことでいよいよモデル撮影へ。当日は、思ったよりも天気が悪かったので、ISO400のモノクロフィルムをISO1600で撮影して増感現像することにしました。

 お辞儀するように上からファインダーをのぞくウエストレベルファインダーでフォーマットは35ミリフィルムの縦位置です。撮影の高さが低いので、子供のポートレートに向いていますね。ただし横位置はファインダーをのぞくと、自分の真横の景色が見えるので慣れないと難しいです。

  ◇撮影機材

35mm二眼レフカメラ

 2019年6月に「大人の科学マガジン」で発売されました。書籍の付録で、パーツをプラモデルのように組み立てます。所要40分と解説されていますが、完成品をお借りしたので難易度まではわかりません。シリーズでハーフサイズカメラやピンホールカメラとしても使える「35mmフィルムカメラ」が発売されています。

毎日新聞

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