札幌市電が5月から減便 運転手不足で 休日出勤による負担増

2025/03/22 09:00 

 路面電車(市電)を運行する札幌市交通事業振興公社は21日、運転手不足のため、5月1日の夏ダイヤから当面の間、1日20便程度を減便すると発表した。運転手不足に伴う減便は、市電が市営化した1927年以降初。

 公社によると、減便は平日ダイヤで実施。運行間隔をおおむね1~2分延長し、朝のラッシュ時(午前7時半~8時半)は外回り3~7分、内回り6~8分とするほか、夕方のラッシュ時(午後5時半~6時半)は外回り8~9分、内回り4~7分とする。例年の夏ダイヤは1日275便程度となっており、運転間隔の延長に伴い、5月1日以降は1日253便になるという。

 市電の運転手数は現在、必要人数(73人)より10人少ない63人となっており、休日出勤による負担増が問題になっていた。このため、公社は「安全輸送確保のため、負担の長期化は好ましくない」などと判断し、減便することにした。

 今年4月に採用される8人が10月以降、運転資格を得る見通しのため、来季の冬ダイヤ以降は減便するか今後検討する方針。中田雅幸理事長は「ご不便をおかけし、大変申し訳ない。現在、必要人員の確保に努め、運転手の負担軽減と安全運行の維持に取り組んでいる」などとコメントし、減便への理解を求めた。【高山純二】

毎日新聞

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