愛媛県今治市で発生した山林火災は、発生から３日目となった２５日も延焼が続いた。同市では午前７時半現在、約２１４ヘクタールの山林が焼損。現場近くの今治、西条両市の約２６００人に引き続き避難指示が出されている。

　現場では消防などが夜通し消火活動を続けたが、火の勢いは衰えず、２４日夕方の時点で約１５８ヘクタールだった焼損面積が拡大。同県内で平成以降に発生した山林火災としては過去最大となった。２５日も朝から県や自衛隊のヘリコプターが上空からの消火活動を続けている。

　避難指示の対象は同日朝の時点で、今治市長沢地区の３８１人▽同市朝倉北地区の６９８人▽西条市楠河地区楠の１５０６人。今治、西条両市では自主避難を含む２３６人が避難所に身を寄せている。

　今治市立朝倉小学校には２５人が避難し、時折外に出て山裾付近に近づく白煙を心配そうに見守った。家族５人で避難した建設業の久田貴志さん（４４）は「２４日には見えなかった白煙があちこちで上がっていて驚いている。火の手が広がっているのが気がかりだが、早く収まって避難解除になるのを待つだけ」と言葉少なに語った。

　今治市は２５日、児童・生徒らの安全に配慮し、避難地区にある同小と市立朝倉中学校を休校とした。松山地方気象台は県内に乾燥注意報を出しており、２６日までは晴れて空気が乾燥する状態が続く見通しだ。２７、２８日は曇り一時雨の予報となっている。【松倉展人、鶴見泰寿】

　一方、岡山市の山林火災でも２５日朝から消防や自衛隊のヘリなど８機による消火活動が行われている。同日午前９時時点で空き家や倉庫計６棟を含む計３００ヘクタールに延焼が広がったが、火の勢いは落ち着きつつあるという。隣接する岡山県玉野市では火の勢いが弱まったとして同日午前９時に避難所を閉鎖した。人的被害は確認されていない。【古川幸奈】