居眠り「はらわた煮えくりかえる」 当選1回福岡市議が壇上で批判

2025/03/26 20:57 

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 「言葉の重みも説得力も感じない」。福岡市議会2・3月定例会会期末の26日、本会議で壇上に立った当選1回の若手市議が、居眠り市議を痛烈に批判する異例の一幕があった。

 「私は今、はらわたが煮えくりかえる思いで立っています」。2025年度当初予算案に賛成の立場で意見を述べる「討論」で、坂口嘉政市議(32)=無所属=はこう切り出した。

 坂口氏は、6日の本会議の議場を傍聴に来た小学生の保護者からもらった「子供が『寝ている人多いね。あの人も、あの人も……』って数えていました」「議員さんはこんなに寝てても税金からお金をもらえるんですね」という怒りの声を紹介。自身が出席した委員会でも居眠りをしている様子の市議を実際に見たといい、「一般会計だけで1兆1000億円を超える市の予算案審議はそんなに軽いものでしょうか」と訴えた。

 その上で「納税者一人一人の顔を浮かべ、必死で生きているという思いに寄り添えば、審議中に居眠りしていいとは夢にも思わないはず」「常習的に居眠りをしている議員が『市民のため』とか『こんなんじゃ市民は納得しないぞ』と叫んでも、言葉の重みも説得力も感じない」と非難。討論の時間のほとんどを「居眠り問題」で費やし、議場にいた約60人の市議は黙って聞いていた。

 記者も、市議会を取材するなかで、本会議や委員会中に目をつぶったり、頭を下げて動かなくなったりしている様子の市議を見た。内閣府で勤務経験がある坂口氏は閉会後の取材に「官僚時代から国会議員でも寝てるかな、と思う人はいた。市議になり、市民の代表として見過ごしてはいけないと思っての討論だった。頭ごなしに言うつもりはないが、数日間見ていて明らかにおかしいと思った」と語った。【竹林静】

毎日新聞

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