政府、戦後80年の首相談話は見送りへ 戦争検証の見解表明案が浮上
政府は戦後80年の節目として検討していた石破茂首相談話について、閣議決定による発表を見送る検討に入った。反発する自民党保守派への配慮に加え、歴史認識を巡る国内外の論争が再燃する可能性を懸念し、見送る判断に傾いたもようだ。一方で、首相は先の大戦を検証するため、会議体を設置するなどして有識者から意見聴取する調整に入っている。終戦記念日の8月15日に向け、首相が検証を踏まえた見解を表明する案も浮上している。複数の関係者が28日、明らかにした。
首相は1月末の衆院予算委員会で「なぜあの戦争を始めたのか、なぜ避けることができなかったのか。検証するのは80年の今年が極めて大事だ」と述べ、検証に意欲を示している。今月9日の自民党大会でも「なぜあの戦争に突っ込んでいったのか。私たちはもう一度歴史に謙虚に学び、日本の平和は尊い犠牲の上にあることに思いを致したい」と強調していた。
ただ、2015年に安倍晋三首相が戦後70年談話を閣議決定したことで戦後の「謝罪外交」に区切りが付いているとして、自民保守派を中心に新たな談話への反対論が根強い。「出す必要は全くない。そのための70年談話だ」(小林鷹之元経済安全保障担当相)などの声が上がっている。
党内基盤が弱く内閣支持率も低迷する首相はこうした声に配慮せざるを得ず、閣議決定による政府としての公式な談話でなく、首相個人としての見解を示すとの位置付けとする方向だ。首相は1月の毎日新聞のインタビューで、石破内閣の歴史認識に関しては歴代内閣の立場を基本的に引き継ぐ考えを表明している。
先の大戦を巡っては、戦後50年の1995年に村山富市首相談話が閣議決定され、「植民地支配と侵略」に言及し、「痛切な反省」「心からのおわび」を表明した。戦後60年の05年に閣議決定された小泉純一郎首相談話も、村山談話を踏襲した。
これに対し戦後70年の安倍首相談話では「痛切な反省と心からのおわび」に言及するとともに、「先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と指摘し、村山談話を事実上修正した。談話作成に向けては、安倍首相の私的諮問機関「21世紀構想懇談会」が設置された。石破首相が調整する有識者からの意見聴取は、これを念頭に置いているとみられる。【影山哲也、内田帆ノ佳】
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