「トイレに無料ナプキンを」はわがまま? 「困った経験ある」74%

2025/03/29 09:30 

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 「トイレットペーパーみたいに、生理用ナプキンをどこにでも置いてほしい」

 突然の生理で困った経験がある女性を中心にX(ツイッター)でこうした声が広がり、27日には一時、「生理用品」がトレンド入りした。「わがまま」「それぐらい持ち歩け」といった批判的な声もあるが、予期しない事情などで難しいケースもある。

 74%が、ナプキンが手元になくて困った経験があり、95%が商業施設や学校などのトイレに無料ナプキンがあれば「利用したい」――。ピルのオンライン処方サービスを手掛ける医療ベンチャー「ネクイノ」(大阪市北区)が2021年に利用者2428人から回答を得たアンケートの結果だ。「(生理が)予定日と関係なく突然始まってしまう」「(生理用品が)かさばる」--などの困りごとも多く寄せられた。

 同社はこうした声を受け、専用アプリをスマートフォンに入れれば商業施設や駅のトイレの個室内でナプキンを無料で受け取れるサービスを22年5月に試験的に始め、24年5月から全国で本格展開している。現在は東京ドームや京都市営地下鉄京都駅、各地の大学などに約800台の提供機器を設置しており、25年中に6000台の設置を目指している。

 「必要な時に入手できることで、多くの女性の不安解消につながることを知ってほしい」と担当者。機器に付随する画面に企業が流す広告の料金によって無料提供を実現しており、多数の持ち出しやいたずら防止のため1人あたり2時間に1個、1カ月で7個までの利用となっている。

 生理用品の無料提供は一部の役所のトイレなどでもあるが、普及は道半ば。Xでは、貧困や保護者のネグレクトなどで生理用品を入手しにくい人のために拡大を求める声も上がっている。【平塚雄太】

毎日新聞

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