万博の開幕式、司会はバーチャルヒューマン 「和」の演出で彩る

2025/04/12 21:31 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 大阪・関西万博は12日、大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で、開会式が開かれた。司会は三次元コンピューターグラフィックスによる人間そっくりの「バーチャルヒューマン」が担当。歌舞伎や相撲といった日本の伝統と、現代的なダンスやパフォーマンスを融合させた和の演出で式典を彩った。

 テーマは「Re-Connect 巡り、響き、還り、繋(つな)がる」。午後2時、会場内にある円形劇場「EXPOホール シャインハット」で式典が始まると、生命のつながりをテーマにした映像がホール内の視界270度のスクリーンに映し出された。

 続いて、万博アンバサダーを務める人気デュオ「コブクロ」が登場。自ら作詞・作曲したテーマソング「この地球(ほし)の続きを」を歌い上げると、大阪府内の高校生らが参加国などの旗手として次々と入場した。

 日本国際博覧会協会(万博協会)の十倉雅和会長(経団連会長)は「世界が分断を乗り越えて一堂に会し、つながり、語り合う。そうすることで、一人一人が『いのち』について考え、行動するきっかけにしてほしい」とあいさつ。

 万博名誉会長の石破茂首相は「各国、来場者相互の交流が進み、世界が再び結びついていくことを期待してやみません。大阪・関西を起点に日本各地を訪れ、新たな日本の魅力を発見いただきたい」と述べた。

 大阪府の吉村洋文知事は、工事関係者やボランティア、参加国、日本国民らに向けて「ありがとう」と計7回繰り返した。

 式典では、別会場から大阪交響楽団など在阪4オーケストラと地元の吹奏楽団、オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラによる合同オケが、世界的指揮者、佐渡裕さんの指揮で演奏した。

 歌舞伎や太鼓など伝統芸能のパフォーマンスも次々と披露され、歌舞伎俳優・尾上菊之助さんが演目を披露すると、大きな拍手が鳴り響いた。

 最後は女性4人のダンスボーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」が映像から飛び出し、会場に登場。人工知能(AI)に手書きの文字を読み取らせて生成した音楽に合わせて大勢のダンサーらとコラボレーションし、1時間あまりの式典を締めくくった。【鈴木拓也、長沼辰哉】

毎日新聞

社会

社会一覧>

写真ニュース