名人戦第3局 藤井名人の封じ手は4四銀引 永瀬九段が千日手打開

2025/05/10 11:21 

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 藤井聡太名人(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦する第83期名人戦七番勝負の第3局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、大阪府泉佐野市など地元共催)が10日午前9時、泉佐野市のホテル日航関西空港で再開された。藤井名人の封じ手は検討陣が本命視した4四銀引。千日手になるかと思われた進行になったが、永瀬九段が打開した。

 前日に続いて穏やかな朝を迎えた関西空港。対局室から臨む対岸の紀伊半島や淡路島にはうっすらともやがかかった。

 第2局に続いて千日手模様で封じ手となった第3局。藤井名人は40分考えて手を封じたが、検討陣は「藤井名人がペースを握りかけているので、藤井名人から千日手を打開するのではないか」とみていた。しかし、藤井名人が5五銀(54手目)として2回目の同一局面を迎えると検討室が騒然とする。4回、同じ局面になると千日手が成立する。「一晩考えても局面をよくできないと考えたのか」「いや、まだ分からない」。永瀬九段は38分考えあぐねた末、7九角(55手目)と引いて千日手を回避した。

 解説の稲葉陽八段は「永瀬九段は千日手にはならないとみて、打開するならこの形が一番いいと判断したのでしょう。すぐに戦いにはならず、しばらく駒組みが続きそうです」と話した。【丸山進、最上聡】

 ◇指し手 [先]永瀬 [後]藤井

<1>2六歩  (2)3四歩

<3>7六歩  (4)4四歩

<5>2五歩  (6)3三角

<7>4八銀  (8)8四歩

<9>3六歩  (10)3二金1

<11>6八玉6 (12)5二金1

<13>5八金右6(14)6二銀2

<15>7七角6 (16)5四歩1

<17>3七銀33 (18)8五歩5

<19>8八銀6 (20)4三金右1

<21>7八玉3 (22)4二角2

<23>6八角1 (24)2二銀1

<25>7七銀  (26)3三銀1

<27>5六歩1 (28)7四歩

<29>6六歩  (30)9四歩2

<31>9六歩27 (32)4一玉7

<33>6七金1 (34)3一玉5

<35>3五歩41 (36)同 歩17

<37>同 角  (38)4五歩

<39>6八角8 (40)6四角3

<41>1八飛10 (42)5三銀35

<43>4六歩31 (44)4四銀右36

<45>4八飛5 (46)4六歩53

<47>同 角14 (48)5五歩4

<49>同 歩17 (50)同 銀48

<51>3五角8 (52)4四銀引40=封じ手

<53>4六角14 (54)5五銀16

<55>7九角38 

毎日新聞

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