警察庁の「個人情報ファイル」 目録の開示巡り審理差し戻し 最高裁

2025/06/03 16:06 

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 NPO法人「情報公開クリアリングハウス」(東京)が、警察庁が集めた個人情報ファイルの目録文書の開示を国に求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(宇賀克也裁判長)は3日、一部を不開示とした2審判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。高裁が開示範囲について審理をやり直すことになる。

 警察庁は「DNA」や「少年事件」など捜査対象になった人物らの個人情報をファイルにして保有している。クリアリングハウスは2016年5月、ファイルそのものではなく、利用目的や個人情報の収集方法などを目録にした「管理簿」と呼ばれる文書の情報公開を警察庁に請求した。

 警察庁は、個人情報ファイルは約120種類あることを明らかにした上で、それぞれの管理簿に記載されている「利用の目的」や「保存場所」など10項目の名称は開示した。しかし、それ以外は「犯罪の予防や捜査に支障が出る」として開示しなかった。このため、クリアリングハウスが全面開示を求めて提訴した。

 1審・東京地裁判決(22年1月)は、直ちに捜査活動に支障を与えるとは認められない部分があるとして、一部の不開示決定を取り消した。2審・東京高裁判決(23年5月)は開示の範囲をさらに広げるよう命じたが、「備考の内容」などについては不開示のままとした。

 最高裁では2審が不開示とした項目の中で「備考の内容」が開示されるべきかが争点となっていた。【巽賢司】

毎日新聞

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