ヒトiPS細胞であごの骨を再現 世界初 再生医療や難病治療に期待
京都大iPS細胞研究所は、世界で初めてヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)からあごの骨を立体的に再現した「顎骨(がっこつ)オルガノイド」を作製したと発表した。再生医療や、骨の難病の治療法の開発などに期待できるとしている。研究成果は2日付の英科学誌でオンライン公開された。
食事や呼吸、発声に必要不可欠なあごの骨は、口腔(こうくう)内の細菌感染で骨が壊死(えし)するリスクがある。一度失われると元の状態に戻すことは難しく、再生治療のニーズが高まっている。
研究チームはヒトの血液からiPS細胞を立体的に培養。あごの骨の元になる神経堤細胞に変化させ、更に下あごの形成に関わる外胚葉性間葉細胞に分化させた。
分化から38日目には、直径1~1・5ミリの米粒のような白い塊となった。骨の組織にみられる石灰化が確認できたほか、新しい骨を作る骨芽細胞など成熟した骨細胞の構造を再現することに成功した。このオルガノイドをマウスのあごの骨に移植すると、4週間後に骨が再生した。
また、骨がもろく折れやすい遺伝性疾患「骨形成不全症」の患者のiPS細胞から顎骨オルガノイドを作り、疾患のない患者のものと比較。その結果、患者由来のオルガノイドは骨を構成するコラーゲンの構造が乱れていることが分かった。
研究チームを率いた京大の池谷真准教授(幹細胞生物学)は「顎骨オルガノイドが高い再生能力を持っていることが確認された。今回の結果はまだ基礎的なものだが、研究を深めることで再生医療としての移植や、難病の病態解析に応用できる可能性が示された」と話した。【田中韻】
-
「助けてと言える社会を」 大ヒット映画監督補がヤングケアラー描く
家族の介護や世話を日常的に担う18歳未満の子ども「ヤングケアラー」を題材にした長編映画「助けてなんて言えないよ(仮)」が和歌山県海南市で撮影されることになり、…社 会 2時間前 毎日新聞
-
静岡・伊東市長「大学は卒業ではなく除籍」 市議会が詐称疑惑を追及
静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)は2日、記者会見を開き、市の広報誌などで「東洋大法学部卒業」としていた自身の学歴について「卒業と認識していたが、除籍だった…社 会 2時間前 毎日新聞
-
文言でトーン変え…俳優・声優志望の学生、詐欺防止へ啓発音声収録
警視庁蒲田署は2日、警察官をかたる特殊詐欺の被害防止を啓発するメッセージを収録した専門学校生4人に、感謝状を贈呈した。いずれも俳優や声優志望の学生で、収録した…社 会 3時間前 毎日新聞
-
「同じ志の人がもっと」 岩手の社長が沖縄戦・司令部壕の保存に尽力
第二次世界大戦末期の沖縄戦で、那覇市の首里城地下に掘られた日本軍の司令部壕(ごう)の保存公開を求める地元団体の活動に協力するため、岩手県奥州市の建設会社社長、…社 会 4時間前 毎日新聞
-
正倉院正倉は虫の楽園? 専門家調査で「いるはずない虫」も 奈良
聖武天皇由来の貴重な宝物を伝えてきた奈良市の正倉院正倉は、高床式で地面から離され、開扉に天皇の勅許が必要なため扉が開く機会も少ない。この閉ざされた環境は防虫効…社 会 4時間前 毎日新聞