「OTC類似薬の保険適用継続を」 皮膚疾患患者の支援団体が訴え

2025/07/10 19:11 

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 アトピー性皮膚炎の患者らを支援するNPO法人「日本アトピー協会」などは10日、OTC類似薬の保険適用の継続を求める要望書を厚生労働省の担当者に手渡した。政府は6月に閣議決定した「骨太の方針」で、OTC類似薬の保険給付の見直しの検討を盛り込んでいる。倉谷康孝代表理事は「(保険適用外となれば)長期治療が必要な患者さんは経済的負担により治療が継続できない」と訴えた。

 OTC類似薬は一般的に、OTC医薬品(いわゆる市販薬)と成分や用量が似ているが、医師の処方箋が必要な医薬品を指す。

 アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が慢性的に起こる皮膚の病気。皮膚が乾燥しやすく、外部の刺激に弱いため、薬による日常的なスキンケアなどが必須になる。

 同協会のインターネットの署名活動には、これまでに約4万4000人分が集まった。ある患者からは、「薬があるから何とか普通の生活を保てているのに、保険適用外になると、物価高騰の今、人間らしい生活ができなくなる」とのコメントが寄せられた。

 倉谷さんはこの日に記者会見し、「炎症を抑えるステロイド外用薬は強さに段階があって、医師の診察なしに患者が自己判断で市販薬を購入するのは危ない。過去には副作用による健康被害があった」と強調した。【阿部絢美】

毎日新聞

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