入山証獲得の条件「富士山テスト」記者が受験してみたら… 今夏導入

2025/07/10 19:10 

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 富士山の静岡県側登山道が10日、山開きした。静岡側では今夏から「富士山テスト」に合格しないと、入山証のQRコードが発行されない仕組みになった。夏休みに富士登山を計画している記者(34)が問題を解いてみた。

 富士山は、10年ぶり3度目の挑戦になる。山梨側で開山日を取材した初回の2014年は好天に恵まれ、山頂からご来光を拝むこともできた。この経験がきっかけで登山を好きになり、毎年細々と続けている。

 スマホアプリ「静岡県FUJI NAVI」をダウンロードし、必要事項の登録や入山料の支払いを済ませて事前学習に進んだ。

 事前学習では10項目のポイントを読み、日本語と英語の字幕がついた約5分間の動画を見た。世界文化遺産でもある富士山の歴史や特徴のほか、安全な登山のための装備や禁止事項を学ぶ。既に知っている内容も多い。要した時間は20分程度だった。

 いよいよテストを受ける。正誤を判断する2択問題で、全5問正解が入山証獲得の条件だ。正解するまで受験可能だという。記者は1分もかからずに回答でき、1回目で合格した。想像していたより簡単で、拍子抜けしたのが正直な感想だ。内容は明らかにできないが、事前学習の範囲に答えがある。

 最後に改めて登山者名や連絡先を入力し、入山証のQRコードを受け取った。

 未登録の場合は、各登山ルート5合目の登山口に設置された小屋で手続きをしたり、ビデオ講習を受けたりする。

 静岡県警によると、24年夏の富士山での遭難は静岡側で46件57人だった。死亡者は5人、負傷者は23人でいずれも23年より増えていた。正しい知識に基づく堅実な登山計画を立て、無理な登山をしないことが大切だと感じている。【藤渕志保】

毎日新聞

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