テレビの黎明期を音楽劇に 「あやめ十八番」新作、13日まで上演

2025/07/11 21:29 

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 敗戦後の混乱期、テレビ放送の土台を築いたアナウンサーらの活動を題材にした舞台「金鶏 二番花(にばんか)」が東京都杉並区高円寺北2の座・高円寺で上演されている。演劇ユニット「あやめ十八番」の新作で、歌や踊りを織り交ぜた音楽劇だ。

 敗戦の痛手から人々が立ち直ろうとしていたころ、放送界では「テレビジョン」という未体験のメディアが生まれつつあった。その最前線では、2人のアナウンサーが奮闘していた。戦地から復員してきた2人は、戦争で消息が分からなくなった人を捜すラジオ番組を経てテレビの実験放送に従事。カメラや照明など番組のつくり手たちと共に汗を流し、ついに本放送が始まった――。

 「テレビの黎明(れいめい)期を支えた、元NHKアナウンサーの宮田輝さんと高橋圭三さんの活躍に着想を得た」と同ユニットの代表で劇作家、演出家の堀越涼さん(40)は言い、当時の社会情勢や、自由で平等な世の中を希求する人々の思いをストーリーに盛り込んだ。

 「物事の始まりには人々の情熱がある。それが周囲を動かし、社会を変えていく」と堀越さんは話す。

 13日まで。詳細は、あやめ十八番のホームページで。【明珍美紀】

毎日新聞

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