教員未配置、全国で3600人超 全教が調査「子どもに深刻な影響」

2025/07/17 20:51 

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 全日本教職員組合(全教)は17日、全国の「教員未配置」が2025年5月時点で少なくとも3644人に上るとする調査結果を公表した。前年同時期の調査から微減にとどまった。全教は「子どもたちにも深刻な影響が出ている。早くどうにかしないといけない」として職場環境の改善による教員負担の軽減を国に求めている。

 全教は地方組織を通じ、5月1日時点での公立小中高校・特別支援学校の状況を聞き取り、回答に応じた36都道府県12政令市の結果をまとめた。

 学校別の欠員は小学校1474人▽中学校1183人▽高校411人▽特別支援学校508人――など。前年の調査と共通して回答に応じた33都道府県9市の結果を比較すると、25年の未配置の人数は3050人で、前年の3245人から200人弱の減少にとどまった。

 未配置の影響に関する自由記述には「講師が4月末で突然退職した」(小学校)、「病休代替者が見つからず、世界史の教員が地理の授業もしている」(高校)といった意見が寄せられた。

 全教は「魅力ある教職であれば志望者は増えるが、残業代が支給できる仕組みづくりをしないと時間外労働に歯止めがかからないのではないか」とし、残業代を支払わない代わりに「教職調整額」を支給する教員給与特別措置法の枠組みを批判した。【斎藤文太郎】

毎日新聞

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