九電・川内原発3号機の計画再始動はある? 関電の地質調査で関心

2025/07/22 18:30 

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 関西電力が美浜原発(福井県美浜町)の敷地内での原発の新増設に向け、地質調査を再開すると22日に発表したことで、九州電力での原発の新増設にも注目が集まっている。2011年の東日本大震災により計画を凍結している川内原発(鹿児島県薩摩川内市)3号機の建設が再始動するかどうか関心が高まっている。

 川内3号機は、いったんは鹿児島県の同意を取り付け、14年の着工に向けて環境影響評価などの手続きが進んできたが、震災後に鹿児島県が凍結し、九電も計画を止めた。敷地内の予定地は11年当時のままだ。

 国のエネルギー基本計画は25年の改定で、廃炉した原発の建て替えを、同じ電力会社の他の敷地でも可能とした。九電は玄海原発(佐賀県玄海町)1、2号機の廃炉を進めており、川内は条件に当てはまる。

 九電は震災後、15年の川内原発をはじめ、いち早く新規制基準での再稼働にこぎつけた。半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)をはじめとした九州での半導体産業などの集積などにより、二酸化炭素を出さない電力の需要は高まると想定。新原発も「いずれは必要だ」との立場で、原子炉メーカーが開発する次世代革新炉の情報収集もしている。

 ただ、鹿児島県は「凍結」の立場のままで、九電も「立地場所の検討はしていない」(西山勝社長)との慎重姿勢を崩していない。【久野洋】

毎日新聞

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