8月9日は長崎原爆の日 式典にロシアやイスラエルも出席予定

2025/08/09 00:00 

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 米軍が長崎市に原爆を投下してから9日で80年を迎える。9日は平和祈念式典が開かれ、鈴木史朗市長が平和宣言で世界各地の紛争の即時停戦を訴え、核戦争に突入する危機感を表明する。また、日本原水爆被害者団体協議会のノーベル平和賞受賞に触れ、代表委員などを務めた山口仙二さん(2013年に82歳で死去)の演説を引用し核兵器廃絶の決意を示す。

 市は日本に公館のある全157カ国・地域に招待状を送るなどし、6日現在で95カ国・地域と欧州連合が参列予定。22年のウクライナ侵攻から3年間招待しなかったロシアとベラルーシ、24年にパレスチナ自治区ガザ地区の情勢を踏まえ招待しなかったイスラエルが、今回は出席を予定する。

 各国の駐日大使らは8日、爆心地公園内にある原爆落下中心地碑を訪れ、献花した。駐日パレスチナ常駐総代表部のワリード・シアム大使は献花前に市内で講演し「パレスチナ人の命は決して使い捨てではない。長崎とガザが死でつながるのではなく、命や希望、共通の未来への誓いで結ばれることを信じている」と話し、イスラエルの招待自体を非難した。一方、イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使は一部報道機関の取材に応じ、「長く痛ましい対立関係は(イスラム組織)ハマスのテロ行為により始まった。ハマスが武器を置けば全て終わる。子供らが犠牲になるのはイスラエルにとっても悲劇だ」などと語った。

 9日の式典は石破茂首相も参列を予定。式典後には、首相が被爆者4団体から要望を聞く場に、爆心地から12キロ以内で原爆に遭いながら被爆者と認められていない「被爆体験者」も2年連続で出席するが、今年は発言機会が設けられない。【尾形有菜、日向米華、添谷尚希】

毎日新聞

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