兵庫県の住宅再建共済、南海トラフで給付額最大1437億円 試算公表
自然災害で被災した住宅を再建・修繕する際に給付金を支給する兵庫県独自の「県住宅再建共済制度(フェニックス共済)」に関して、県は2日、南海トラフ地震が発生した場合、加入者への給付金の支払いが最大1437億円となる試算を公表した。2024年度末の積立金の10倍にあたる。県は有識者による検討会で制度の見直しの検討を進める。
フェニックス共済は阪神大震災(1995年)で多くの被災者が自宅再建できなかった教訓から2005年に創設された。県内の戸建て住宅やマンションで、1戸あたり年5000円の掛け金を支払えば、自然災害で半壊以上の被災をした場合に最大600万円の給付が受けられる。
25年3月末時点の加入者数は県内住宅の9・4%にあたる16万6117戸。24年度末の積立金総額は143億円だ。大規模災害で給付額が積立金を超えた場合、県の外郭団体である公益財団法人「県住宅再建共済基金」が金融機関から借り入れ、県が債務保証をすることになっている。
県が公表した有識者検討会の中間とりまとでは大規模災害時に必要な支払額を初めて試算した。
試算によると、南海トラフ沿いで起きた地震では過去最大規模とされる宝永地震(1707年、マグニチュード8・6)クラスで給付金額は最大87億円。だが、政府が想定する最大規模(マグニチュード9・0)では、最大1437億円。これまでの支給実績の割合から推計した場合でも501億円に上るとした。現在の積立金の額を大幅に上回り、損失補償をする県の財政リスクはかなり高い。
中間とりまとめでは、給付金の減額▽年5000円の加入者負担金の値上げ▽再保険の活用▽給付金の支払いに上限額を設定する――の四つの方法を提示。検討会で最終報告に向けて最適な手法を検討する。県防災支援課の担当者は「確率としては高くないが、大幅な支払いが必要な地震が生じることはありえる。この試算を基に対応を今後議論したい」と説明していた。【栗田亨】
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