史上初 4人同時に四段昇段 プロ入りへ 将棋の奨励会三段リーグ
将棋の第77回奨励会三段リーグ戦最終日の対局が6日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、最終成績で上位2位に入った岩村凜太朗三段(19)=14勝4敗=と生垣寛人三段(22)=13勝5敗=が四段昇段を決めた。13勝5敗で2回目の次点に入った片山史龍(しりゅう)三段(21)、竜王戦5組ランキング戦決勝進出による2回目の次点を獲得した山下数毅三段(17)=10勝8敗=もフリークラス編入による四段昇段となり、史上初の4人同時昇段となった。
昇段者はいずれも藤井聡太名人(23)よりも年下。だが、4人とも「目標とする棋士は」の質問に藤井名人の名は挙げず。「雲の上の存在」(岩村新四段)というのが正直な気持ちのようだ。
◇研究仲間3人が祝福
岩村新四段は東京都練馬区出身で飯塚祐紀八段門下。2023年に詰め将棋の優秀作を表彰する「看寿(かんじゅ)賞」を受賞している詰め将棋作りの名手としても知られる。
この日の対局を終えて奨励会幹事を務める棋士に報告する場で、研究会などで親しくしている藤本渚六段、斎藤明日斗六段、吉池隆真四段に「おめでとうございます」と声を掛けられ、昇段の喜びがこみ上げてきたという。
三段リーグに入るまでは三間飛車一本やりだったが、勝ち星が伸びず「今期は居飛車と振り飛車の両方を含みにした複雑な指し方をしたのがいい方向にいった。振り飛車か居飛車かどちらを指すか楽しみにしてほしい」と語った。
◇新しい振り飛車探る
生垣新四段は神戸市出身で井上慶太九段門下。午前の対局に勝ち、午後の対局にも勝って3位以内が確定。奨励会幹事に報告した際にライバルが敗れて逆転昇段したことを知り「今日は上がれると思っていなかったので、ほっとした気持ちです」と笑顔を見せた。
居飛車に比べてAI(人工知能)の評価が落ちる振り飛車を得意とし、「人間特有の将棋で、新しい振り飛車の形を模索していきたい」と振り飛車の復権を掲げた。
趣味は旅行で、夏場に琵琶湖を一周するサイクリングに出掛けたこともある。
◇奨励会生活の半分は三段リーグ
片山新四段は東京都江東区出身で岩村新四段と同じ飯塚八段門下。今期リーグ後半は2人で引っ張る展開となり、「一緒に上がれたらいいなとずっと思っていた」と明かす。
2021年度後半のリーグで次点を獲得。この日は午前の対局に勝った時点では2位だったが、午後の対局に敗れて次点に落ちた。次点2回でプロ入りの権利が与えられ、日を置いてプロ入りを決めた棋士もいるが、即日権利を行使することを決めた。
奨励会にいた10年間のうち半分の5年間を三段で過ごし、「奨励会の思い出は全部三段リーグ。あまりいい思い出はなく、昇段できたことが一番の思い出になる」と喜びをかみ締めた。
AIによる研究が進む居飛車を得意とし、居飛車の研究家で知られる伊藤匠叡王を目標とする棋士に挙げ、「研究が深く、終盤も強い将棋なので、棋譜を見てよく勉強している。私は時には終盤で人を驚かせる手を指すこともあるので、そこに注目してもらいたい」と訴えた。
◇将棋AIを作ってます
山下新四段はイギリス・ノッティンガム市出身で森信雄七段門下。22年度後期から三段リーグに参加した時は中学生棋士誕生の期待をかけられたが、三段リーグ2期目の23年度前期に次点を獲得して以降は昇段争いに絡めなかった。
23年の竜王戦で5組に昇級し、24年には5組で決勝に進んで2期連続昇級する離れ業を成し遂げ、日本将棋連盟が今期リーグ終了時に次点を与える新たな規定を作った。
今期リーグは最終局に勝ってギリギリ勝ち越しとなり、「今回(プロ入りの)権利を行使しなかった場合に今後上がれる保証も全くない」と考えて、プロ入りを決断した。
小学校高学年の時にコンピューター言語の「C++」を覚えて以来、プログラミングに打ち込む。自ら将棋AIも作成中で、「機会があれば将棋AIの大会にも出たい」と意気込みを語った。【丸山進】
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