小学校の隠しカメラに市議「盗撮では」 市「正当」強調 愛知・江南

2025/10/02 21:37 

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 愛知県江南市の市立小学校内に児童や保護者に無断で隠しカメラが設置されていた問題を巡り、1日に開かれた市議会全員協議会で一部の市議から「こっそり付けるのは盗撮ではないか」と学校の対応を問題視する声が上がった。一方で、沢田和延市長は「(学校側は)誠意を持ってやった」と理解を求めた。

 市教育委員会などによると、市立小で2022年、当時の教頭が校長の指示で、火災報知器型の隠しカメラを特定の児童の靴入れや廊下が映る画角で天井に設置。児童や保護者に無断だったことから、市教委は不適切な対応だったと判断した。

 この日の全協で高田和明教育長は「(いたずらの)事実関係を明らかにするために設置された『防犯カメラ』だった。正当な理由がある」と強調した。

 これに対し、市議の一人は「防犯とは犯罪を防ぐもの。(カメラを)こっそり付けるのは疑問。盗撮ではないか」と指摘。別の市議は「学校で犯人探しはやめて」と求めた。

 最後に発言した沢田市長は、「(学校は)誠心誠意取り組んでいることを改めてご報告したい」と述べた。

 防犯カメラの設置に当たり、市は目的の明確化などを求めた個人情報保護法に基づくガイドラインを設けているが、高田教育長は「市内に設置している防犯カメラと学校の防犯カメラは意味合いが違う」と主張。市議からは「市教委も守るべきではないか」という声が上がった。【川瀬慎一朗】

毎日新聞

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