将棋・王座戦第4局 藤井王座が失冠の危機脱する 第5局で決着へ

2025/10/07 21:16 

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 将棋の第73期王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第4局が7日、神奈川県秦野市で指され、藤井聡太王座(23)が挑戦者の伊藤匠叡王(22)に99手で勝ち、2勝2敗のタイに戻した。藤井王座は敗れると失冠する危機に立たされていたが、28日に甲府市で行われる第5局に決着を持ち込んだ。

 伊藤叡王は藤井王座と同学年で、緻密な序盤研究と高い終盤力が持ち味。2024年の叡王戦五番勝負では藤井王座に3勝2敗で勝ち、藤井王座の8冠独占を崩して注目を集めた。

 藤井王座は第1局で快勝したものの、第2、3局は終盤の競り合いで敗れて落とし、タイトル戦で初めて先に王手をかけられた。第4局では、伊藤叡王が工夫を凝らした序盤戦術を見せたが、藤井王座が角交換で手にした角を絶好の位置に据えて一気に勝利をたぐり寄せた。

 終局後、藤井王座は「第5局まで期間が空くので、少しでも実力を高めて迎えられるようにしたい」と防衛に執念を見せ、伊藤叡王は「存分に戦えている気もしたが数手で急に差が開いてしまった。しっかりと読みを入れて指す必要があると感じた」と悔しさをにじませた。【丸山進】

毎日新聞

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