関東大震災や植民地支配…日本と朝鮮の歴史振り返る巡回展開催

2025/10/09 11:45 

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 戦後80年に在日朝鮮人を取り巻く問題を考える全国巡回展「Moving History Museum 日本と朝鮮、消えない歴史」が10日、文京区春日1の文京シビックセンターで開かれる。

 関東大震災から100年を迎えた2023年に始めた在日朝鮮人と日本人大学生でつくる「トルパプロジェクト」の一環。「トルパ」は朝鮮語で「突破」を意味し、在日朝鮮人を巡る問題の解決を目指し、デモや集会を開いてきた。

 巡回展では、学生たちが植民地支配や関東大震災の際の虐殺事件などと、それらの歴史を否定するような動き、朝鮮学校無償化問題などの現状を調べた。それを文章にまとめてパネルで展示している。朝鮮近現代史を研究する加藤圭木・一橋大教授による講演も行われる。

 巡回展は11日に愛知、12日に大阪、13日に広島で開催される。東京会場は東京大空襲、大阪では浮島丸事件など開催地にちなんだ問題を紹介。日朝の学生らの対談もある。実行委で在日朝鮮人4世の李詩穂(リシス)さん(25)は、プロジェクトを通じて朝鮮の歴史を深く学んだ。「声を上げて行動しないと民族の大事なものがなくなる。歴史を風化させず、次のアクションにつなげたい」と展示を見た人が参加できるワークショップを考案した。

 実行委の男子学生(21)も「足元の歴史を知ってほしい。来場者がどんな反応を見せるか楽しみ」と話した。

 東京会場はパネル展示が午後3時~同6時半、講演会が午後7時~同8時半。入場料1000円(学生500円・高校生以下など無料)【宮城裕也】

毎日新聞

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