群馬・昭和村、緊急銃猟でクマ駆除 全国2例目 オリにかかって暴れ

2025/10/22 16:33 

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 群馬県昭和村は、自治体の判断で市街地での銃猟を可能とする「緊急銃猟」を17日に実施し、ツキノワグマ1頭を駆除したことを明らかにした。太ったクマがオリにかかって暴れ、住民に危害を加えるおそれがあった。緊急銃猟は、鳥獣保護管理法の改正で9月に始まった制度。環境省によると、緊急銃猟によるクマの駆除は、15日の仙台市に続き全国2例目。

 村によると、17日午後1時5分ごろ、同村川額(かわはけ)の畑に設置されたイノシシ用のオリに、クマが入っていると住民から連絡があった。オリは、イノシシでなくクマがかかった場合は上部から逃げられる構造だったが、クマが太っていたのでオリを抜けられなかった。

 現場は畑や住宅が混在する地域。クマは暴れており、オリを破壊して住民に被害を与えるおそれがあった。麻酔銃を使って対処しようとしたが、発砲が行える日没までに準備するのは困難だった。

 高橋幸一郎村長が緊急銃猟を許可。同省の指針に基づき、住民への注意喚起や交通規制を行った上で、午後4時50分ごろ、地元猟友会のメンバーが発砲した。駆除されたクマは雌で、体長は約1・5メートルだったという。

 同省によると、2025年度のクマによる死者数は9人(22日現在)。統計がある06年度以降、過去最多になった。【庄司哲也】

毎日新聞

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