甲子園で友情応援 沖縄知事が市尼崎・吹奏楽部に感謝状

2025/11/06 10:45 

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 沖縄県の玉城デニー知事は5日、兵庫県の尼崎市立尼崎高校(同市上ノ島町1)を訪れ、30年近く甲子園で沖縄県勢の高校野球チームを応援してきた同校吹奏楽部に感謝状を贈呈した。玉城知事は「沖縄県勢も強豪と言われるようになったが、その陰にはいつも皆さんの力強い演奏があり、選手たちの心を支えてくれた」と謝意を伝えた。

 吹奏楽部を指揮する総監督の羽地靖隆さん(77)は沖縄・伊良部島出身。尼崎市の中学で音楽教師として吹奏楽部を指導していた1981年夏から、応援演奏を始めた。沖縄から甲子園に応援に来るには多額の遠征費がかかることもあり、沖縄県人会から、当時の沖縄代表・興南の応援をしてほしいと頼まれたのが、きっかけだった。以来、中学校3校で16年間、97年からは転勤した市立尼崎高吹奏楽部を率いて甲子園球場でタクトを振り続けた。

 指揮を執ったのは150試合以上。沖縄尚学の2度のセンバツ優勝(99年、2008年)、興南の春夏連覇(10年)など、沖縄球児の輝かしい歴史をともに刻んできた。今夏も夏の甲子園で初優勝した沖縄尚学の選手たちを鼓舞した。

 羽地さんは「沖縄の応援の良さは、アルプススタンドがひとつになって盛り上がること」と話す。定番曲「ハイサイおじさん」が流れると、観客は総立ちになる。指笛が鳴り響き、踊り出す。吹奏楽部部長の3年、茅野美海(かやのみひろ)さん(18)は「私も甲子園で応援演奏したくて吹奏楽部に入部しました。今年の夏には優勝という感動をいただいて感謝でいっぱいです」という。

 この日は、羽地さんの指揮で部員約150人全員が演奏を披露した。玉城知事は「甲子園の熱狂と感動がよみがえりました」と喜んだ。【桜井由紀治】

毎日新聞

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