栃木・矢板市、公式LINEで「クマ出没アラート」 地図で見やすく

2025/11/18 09:47 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 全国的なクマ被害の増加を受け、栃木県矢板市は同市公式LINE(ライン)にクマの目撃地点を地図上に表示できる「クマ出没アラート」を導入した。速報性が増し、地図情報が加わることでより分かりやすくなるという。市によると、クマ情報に特化したアラート発信は県内で初めて。森島武芳市長は14日の定例記者会見で「市内のクマ目撃件数は決して多くはないが、被害を未然に防ぐためあらゆる努力をしたい」と話した。

 希望者は、個人のラインの「友だち」に同市公式ラインを追加した上で「安全・安心」タブの「クマ出没情報」に氏名(ニックネーム可能)を登録すると受信可能となる。アラートは目撃地点や頭数、大きさなどの短い文字情報が届き、「出没位置を確認」をタップすると地図アプリ(グーグルマップ)が開き、地図上で目撃地点を確認できる。

 クマ出没情報について市はこれまで、市防災メールや市公式ライン登録者への一斉配信、インスタグラムなどSNS(ネット交流サービス)投稿などで通知していた。文章のみの説明で目撃地点が伝わりにくかったほか、担当者が登庁して専用システムで発信する運用上、早朝や夜間の情報発信にはタイムラグが出ていた。ラインのアラート配信はスマホアプリから可能で、より迅速に作業できるという。配信機能は自治体向け防災情報配信サービスに含まれ、市に新たな費用負担は発生しない。

 市は当面、これまでの登録者への一斉配信(市防災メール、ラインメッセージ)も併用し、周知期間を設けた上で将来的にはアラートへの一本化を検討するという。今年、市内で目撃されたクマの情報は11月13日までに16件あり、2024年の8件よりも増えている。【藤田祐子】

毎日新聞

社会

社会一覧>