演説中に「私人逮捕」指示でけがさせた疑い 立花被告を追送検

2025/12/01 20:02 

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 6月の兵庫県尼崎市議選で抗議活動中の男性を取り押さえて負傷させたとして、兵庫県警は政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(58)=名誉毀損(きそん)罪で起訴=を逮捕致傷の疑いで追送検した。11月28日付。捜査関係者らが明らかにした。

 追送検の容疑は、政治団体「NHK党」(当時)の公認候補の応援演説中だった6月14日、演説内容を批判した男性を私人逮捕するよう指示、党員ら2人が男性の首に腕を絡ませるなどして頸椎(けいつい)捻挫を負わせたとしている。この党員ら2人も同じ容疑で書類送検された。

 県警は3人の認否や処分意見を明らかにしておらず、神戸地検が刑事責任を問うか慎重に判断する。

 刑事訴訟法は逮捕状がなくても一般人による現行犯逮捕を認めており、「私人逮捕」や「常人逮捕」と呼ばれる。

 当時、N党候補の陣営は「演説者から3回警告されたら公職選挙法違反の自由妨害」という趣旨の呼びかけを聴衆に行っていた。

 立花被告も男性に「次、大きな声で妨害したら間違いなく逮捕するから。公職選挙法違反です。自由妨害罪。私人逮捕です」などと語っていた。

 しかし、この日の夜の動画投稿サイトでの配信で「(警察は)口頭での選挙運動の妨害は自由妨害罪に当たらないという考えのようだ」と述べていた。

 公選法には、妨害のために集合した多人数に対し、公務員が3回以上解散を命じても従わない場合の罰則規定がある。演説者の3回の警告で自由妨害となるかについての規定はない。【木山友里亜】

毎日新聞

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