大阪府内の高速道路で炎上した乗用車から男性の遺体が見つかった事件で、大阪府警は４日、車に放火したとして逮捕していた会社員の浜田達也容疑者（３７）＝奈良県大和高田市＝を男性に対する殺人などの疑いで再逮捕した。「いろいろなことが積もり積もって殺すしかないと思った」と容疑を認めている。

　再逮捕の容疑は１１月２日午後１０時すぎから３日未明、大和高田市の会社役員、定井敏弘さん（当時６０歳）の自宅敷地内にある倉庫兼住居に侵入し、定井さんの首を刃物で刺して失血死させたとしている。

　定井さんは整骨院などを運営する会社を経営し、浜田容疑者は店舗で院長を務めていた。

　浜田容疑者は定井さんを殺害したとされる直後の３日午前４時４０分ごろ、大阪府柏原市の西名阪道上り線で車を運転中に自損事故を起こした。車両は炎上し、焼け跡の後部座席から定井さんの遺体が見つかった。車は定井さん名義だった。

　府警捜査１課によると、浜田容疑者は「倉庫から遺体を車に乗せた。ガソリンをまいて車ごと燃やし、交通事故に見せかけることを考えた。刺した証拠を完全に隠したかった」などと説明しているという。

　容疑者もこの事故で負傷して病院に搬送されたが、退院後に「無理やりガードレールに車を衝突させた」などと話し始めたことから、府警が１４日に建造物等以外放火容疑で逮捕していた。【斉藤朋恵、大坪菜々美】