NHKと民放、中継局の共同利用で基本合意 基金併用の新枠組み

2025/12/06 00:04 

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 NHKと民放各社は5日、各地の小規模な中継局を共同利用する計画について、昨年末にNHKが設立した子会社「日本ブロードキャストネットワーク」と、設備更新費の一部を助成する基金を併用して運営する新たな枠組みで基本合意した。NHKと民放各社の代表らによる全国協議会が同日、開かれた。

 NHKは、民放との二元体制維持に向け、当初は600億円を子会社に出資し、地方民放局のインフラ面での費用負担軽減などを図る方針だった。しかし今年9月、採算見通しが立たないとして見直しを表明した。

 NHK関係者によると、全国の中継局のうち「ミニサテライト局」(ミニサテ)と呼ばれる特に小さい約480局を子会社が保有して一括管理し、運用する。加えて基金を新設して、ミニサテと小規模中継局の設備更新の一部助成などに充てる。

 NHKは2024~26年度の中期経営計画に関連予算として600億円の拠出を明記。新たな枠組みでは、このうち200億円を子会社へ出資し、基金には400億円を拠出する。基金の運営は一般財団法人のNHK財団の活用を想定している。

 5日の全国協議会後、取材に応じたNHKの寺田健二技師長は「全国津々浦々でNHKと民放の二元体制を維持することは課題だ。今回の合意はスタートライン。ネットワーク維持に努めたい」と話した。【井上知大】

毎日新聞

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