漢字１字で世相を表す「今年の漢字」が「熊」に決まり、清水寺（京都市東山区）で１２日、森清範（せいはん）貫主（かんす）が縦１・５メートル、横１・３メートルの和紙に大書した。「熊」が選ばれるのは初めて。

　公益財団法人・日本漢字能力検定協会（同区）が公募し、今回は１８万９１２２票の応募があった。「熊」は２万３３４６票だった。２位の「米」とは１８０票差だった。各地で「熊」による被害が相次ぎ、イベントの中止や休校が社会問題となり、政府が緊急対策を講じたことなどが理由に挙げられた。中国で「熊猫」と表記するパンダ４頭が和歌山県のレジャー施設から中国に返還されたことも話題となり、選ばれた。

　２位の「米」は昨年から価格が高騰し、備蓄「米」の放出などで「熊」に次ぐ票を集めた。３位は「高」、４位は「脈」、５位は「万」だった。

　森貫主は「熊の出没によって、亡くなった方や被害に遭われた方がいらっしゃるのは大変痛ましい。来年は良い字が選ばれますことを祈念いたします」と話した。【資野亮太】