新種巨大ウイルス、茨城の沼から発見 ヒトに無害、進化の謎解く鍵か
牛久沼(茨城県龍ケ崎市)から新種の巨大ウイルス「ウシクウイルス」を発見したと、東京理科大や自然科学研究機構などの研究チームが発表した。巨大ウイルスは、ヒトなどを含む真核生物の進化に深くかかわってきたという説があり、進化の謎を解く手がかりにつながるかもしれない。【酒造唯】
巨大ウイルスが着目されるのは、太古の原始的な細胞に感染したことで、遺伝情報を持つDNAが細胞核に収められた「真核生物」の誕生につながったとの説があるためだ。細菌や動植物はすべて真核生物で、複雑な進化の過程を解明するカギになると考えられる。
通常のウイルスは非常に小さく、電子顕微鏡でないと見えないが、巨大ウイルスは光学顕微鏡でも見えるものもいるほど大きい。世界中の海や池沼、川などにいると考えられるが、詳しい性質はよくわかっていない。
チームの中に茨城出身の大学院生がいたことから、牛久沼で水を採取して調べたところ、巨大ウイルスが見つかり、新種とわかった。大きさは250ナノメートル(ナノは10億分の1)ほどで、単細胞生物の一種「ヴェルムアメーバ」に感染し、細胞核で増殖する。ヒトや動物には感染せず、無害だという。
チームは2019年、巨大ウイルスの新しい「科」に分類できるウイルスを北海道の温泉から発見し「マモノウイルス科」と名付けた。ウシクウイルスは、マモノウイルス科に近い特徴を持っているという。
武村政春・東京理科大教授は「マモノウイルス科も生物の細胞核で複製する。マモノウイルス科に近いウシクウイルスのような巨大ウイルスの性質を調べることで、細胞核の成り立ちを解明したい」と話した。
成果は25年11月24日付の米国際学術誌に掲載された。
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