「監督と俳優の立場の差を利用」裁判長が指摘 榊英雄被告に実刑判決
自身が監督を務める作品に出演が決まっていた女性俳優2人に性的暴行を加えたとして、準強姦(ごうかん)罪に問われた映画監督の榊英雄被告(55)に対し、東京地裁は6日、懲役8年(求刑・懲役10年)の実刑判決を言い渡した。宮田祥次裁判長は「監督と俳優という立場の差を利用し、被害者の性的自由を大きく侵害した」と批判した。被告は即日控訴した。
準強姦罪(2023年に不同意性交等罪に改正)は、相手を心理的・物理的に抵抗することが著しく困難な状態(抗拒不能)にさせ、同意のない性的暴行を処罰する。榊被告は約10年前に当時20代の2人に性的暴行を加えたとして起訴され、公判では監督の立場を利用して女性を抗拒不能に陥らせたのか▽性行為に同意があったのかが争われた。
判決は、被告が被害者の一人に対して「作品に出続けるためには、誰か出してくれる人が必要」「何でもやれる覚悟があるのか」などと発言し、要求に応じなければ俳優としての活動に支障をきたすのではないかと不安を抱かせたと認定。もう一人も演技指導と称して無防備な状態にさせていたとした。
いずれもその後に性行為に及んでおり、監督と俳優という立場の差を利用して女性を抗拒不能にさせ、同意もなかったと判断。2人が受けた精神的・肉体的苦痛は計り知れず責任は重いとする一方、事件後の報道で一定程度の社会的制裁を受けていることを踏まえて量刑を決めた。
榊被告は、東京国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされた「捨てがたき人々」(14年公開)などを手がけた。
判決によると、被告は15年3月~16年9月に東京都内の事務所やホテルで、女性2人に計5回、性的暴行を加えた。【安達恒太郎】
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