報道引用や被災地の個別エピソードなし 福島県・内堀知事の式辞全文
福島県の内堀雅雄知事が11日、福島市で開かれた県主催の東日本大震災の追悼復興祈念式で式辞を読んだ。東京電力福島第1原発事故の被災地の個別のエピソードは5年ぶりに盛り込まなかった。過去3年間は報道内容を参考にし、視察していないのに、その場で被災者の声を聞いたかのような言い回しで語っていた。
◇2026年3月11日 内堀雅雄知事式辞(全文)
本日ここに、「福島県東日本大震災追悼復興祈念式」を執り行うに当たり、県民の皆様と共に、犠牲となられた方々の御霊(みたま)とそのご遺族の皆様に対し、衷心から追悼の誠をささげます。
平成23年3月11日、巨大地震と大津波に見舞われただけでなく、原子力発電所事故も重なった未曽有の複合災害は、4000人を超える尊い命と美しいふるさとの姿、そして、当たり前に営まれていた穏やかな暮らしを奪い、私たちの心に決して消えることのない深い傷痕を残しました。
あの日から15年。この間、県民の皆様の懸命なご努力と国内外からの温かいご支援、さらには、本日、ご臨席を賜りました高市早苗内閣総理大臣をはじめとした政府の皆様のご尽力により、本県の避難指示区域は大幅に縮小し、昨年は、県内への観光客入り込み数や移住者数が過去最多を記録したほか、県産農林水産物の輸出量も過去最高を更新するなど、これまで続けてきた挑戦の成果が目に見える形となって現れてきております。
一方で、今もなお、多くの方々が避難生活を続けておられるほか、避難地域の復興・再生や、原発の廃炉と汚染水・処理水対策、風評と風化の問題、さらには、急激に進む人口減少や度重なる自然災害への対応など、本県はいまだ多くの困難な課題を抱えており、福島の復興は、今後も長く厳しい戦いが続きます。
そのような中、今年、福島県は県政150周年という節目の年を迎えます。この150年の歩みは、正に「挑戦」の歴史そのものでありました。
先人たちは、どんな困難に直面しようとも、互いに支え合いながら幾度も立ち上がり、血のにじむような努力と挑戦を積み重ね、今日の福島県の礎を築いてくださいました。
そして今、私たちも、東日本大震災と原発事故という未曽有の複合災害を乗り越えるため、県民一丸となり、本県に思いを寄せてくださる全ての方々と力を合わせながら、福島の未来を信じて挑戦を続けています。
復興の道のりは遠く、目の前には依然として高く険しい壁が立ちはだかっていますが、私たちは決して負けません。
長い歴史の中で、先人たちから受け継がれてきた不屈の精神、そして、郷土に対する熱い思いと誇り、「ふくしまプライド。」を胸に、いつの日か必ず、かつてのような美しいふるさと、笑顔と誇りに満ちた福島の姿を取り戻すことを、震災の犠牲となられた御霊の前で、固くお誓い申し上げます。
結びに、御霊の永遠(とわ)に安らかならんことを改めてお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様と福島県の将来にご加護を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。
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