乗船判断は現場一任、校長「甘さあった」 辺野古転覆で生徒犠牲
沖縄県名護市辺野古沖で16日、修学旅行中の高校生らを乗せた船2隻が転覆して男女2人が死亡した事故で、女子生徒1人が死亡するなどした同志社国際高校(京都府京田辺市)は17日、記者会見を開いた。西田喜久夫校長は「とらえようのない悲しみに包まれております。関係者の皆さま、そのほか多くの方々に心労をおかけしたことを心よりおわび申し上げます」と述べ、頭を下げた。
また、事故当日は波浪注意報が出ていたが、乗船するかどうかは担当教員と亡くなった船長で相談して決めることになっていたことを明らかにした。現地にいた教員は全員、注意報が出ていたことを把握していたという。
会見では、事故当時の状況について説明があった。乗船していた生徒は男子8人、女子10人の計18人。乗船した生徒は「1隻が転覆し、その直後に救助に向かったもう1隻が転覆した」という趣旨の証言をしているという。
乗船した生徒は全員、救命胴衣を着用していた。ただ、けがをした2人の生徒のほか、15人も搬送された。このうち、1人が指を骨折。擦り傷や打撲に加え、海水を大量に飲んだ生徒もおり、16人が何らかのけがをしていた。
西田校長は、亡くなった女子生徒にも言及した。「非常に優秀で英語がうまかった。前向きに勉強に取り組み、気軽に声を掛けてくれるような生徒だった」としのんだ。
一方、乗船の判断に関し、波浪などの警報が出ていたら乗船は中止することになっていたが、注意報の場合は現場に任されていたという。
西田校長は「天候や安全性を含めて(教員と相談してから)船長に判断してもらっていた。信頼関係で大丈夫だと理解していた」と話した。
その上で「事前に調査はできた。甘さがあった」と後悔の念を語った。
出航の判断が適切であったかは、海上保安庁や消防などが調査している。西田校長は、学校としても調査に協力する考えを明らかにした。
また、今回の船の運航が海上運送法で登録制となっている「一般不定期航路事業」に当たるとの認識を示した。だが、同校は転覆した船に関する登録は把握していなかったという。
会見では、学校を運営する学校法人「同志社」が、外部の有識者による第三者委員会を今月中にも設置し、事故について調査する方針を示した。
生徒らは17日中に沖縄を離れる予定だ。事故を受けて、24日には保護者説明会を開く。
修学旅行を通じて辺野古で実施している平和教育は2015年ごろに始めた。同校は亡くなった船長と縁があり、乗船しての見学を23年に始めたという。
海上から基地を見学するだけで、抗議活動には関わっていない。
今回は、2年生の生徒262人が14~17日の日程で沖縄を訪れていた。3日目の16日は、生徒らが七つのコースに分かれて班行動する日だった。
うち一つのグループは船に乗りながら、辺野古一帯の現状を見学。午前9時から昼ごろまでの予定だった。
西田校長は「基地の反対運動をさせたいわけでなく、今の沖縄を見てもらうため辺野古を見学のコースに入れた」と話した。【鈴木健太郎、資野亮太】
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