陸自演習場で4人死傷 「訓練とはいえ…」安全管理に疑問の声も
大分県の陸上自衛隊日出生台(ひじゅうだい)演習場で戦車射撃訓練中に砲弾が破裂し、隊員4人が死傷した事故。演習場周辺には事故直後から消防や県警の車両が集まり、物々しい雰囲気に包まれた。近隣住民からは近くで事故が起きたことへの驚きや、自衛隊の安全管理を疑問視する声が上がった。
日出生台演習場は、大分県由布市や玖珠町などにまたがる西日本最大の陸自の演習場で、県によると4月は予備日も含め実弾射撃訓練などが計20日間予定されていた。
陸自や地元消防によると、この日は玖珠駐屯地に駐屯する西部方面戦車隊所属の10式戦車3両が、演習場内の射場で120ミリ対戦車りゅう弾の実弾の発射訓練をしていた。このうち1両の砲塔内で何らかの理由で砲弾が破裂し、搭乗していた男性隊員3人が死亡。女性隊員1人が顔などをやけどする重傷を負い、ドクターヘリで搬送された。これまでのところ演習場外への被害は確認されていないという。
玖珠町に住む女性によると、周辺では21日午前9時ごろから消防車や救急車が続々と集まり、上空ではヘリコプターが旋回していたという。女性は「演習の終わりを知らせるサイレンが普段よりも早く鳴ったので、何かあったのかと思った。訓練とはいえ、安全をきちんと確保していないのか」と首をかしげた。
日出生台演習場では2025年8月にも、西部方面戦車隊所属の隊員2人が訓練中に雷に打たれて死亡する事故が起きており、「事故が続いて、何人も亡くなっているのは悲しい」と話した。
別の70代女性もパトカーのサイレンで異変に気付いたといい、「交通事故でも起こったのかと近所の人と話していたら、テレビを見て驚いた。若い方も亡くなっていて……」と言葉を詰まらせた。
訓練を監視する市民団体「ローカルネット大分・日出生台」の浦田龍次事務局長(62)は「安全に訓練をしていると国から説明を受けてきたが、制御できない事態が起きることが明らかになった。原因を究明し、住民にきちんと説明してほしい」と求めた。
県は事故直後に県防災局内に「情報連絡室」を設置し、情報収集にあたった。佐藤樹一郎知事は定例記者会見で「原因をしっかりと究明し、訓練の安全管理に努めるとともに、不安に感じる地域住民に対して丁寧な説明に努めていただきたい」と注文した。
防衛省九州防衛局の中辻綾太企画部長は由布市内で報道陣の取材に応じ、「地元の皆様にご心配、ご迷惑をおかけして誠に申し訳なく思っている。原因などは陸上自衛隊の事故調査委員会で究明されていくと思うが、いかなる訓練であっても安全を徹底することは同じだ」と話した。【山口泰輝、岡田愛梨、成松秋穂】
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