辺野古転覆事故、死亡の船長を刑事告発 海上運送法違反の疑い

2026/05/22 17:42 

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 沖縄県名護市辺野古沖で3月に小型船2隻が転覆し、同志社国際高校(京都府)の女子生徒ら2人が死亡した事故で、内閣府沖縄総合事務局は22日、死亡した金井創(はじめ)船長(71)について、海上運送法違反の疑いで中城海上保安部に刑事告発した。有償か無償かを問わず、求めに応じて人を運送する事業は国への登録が必要とする同法の規定に反し、無登録だったとしている。

 国土交通省などによると、金井船長は2023年以降、同校の依頼を受けて25年を除く3年間で計6回にわたり、生徒と教員を船で輸送した。いずれの年も同校から謝礼を領収し、転覆事故前に5000円を受け取ったことも確認された。

 一方、転覆したもう1隻の船長も無登録だったが、「刑事事件への影響が懸念される」との理由で聞き取りに応じず、事実確認が難航している。運航団体の「ヘリ基地反対協議会」(名護市)については、転覆した2隻との関係などを「確認中」という。

 同協議会の仲村善幸共同代表は取材に「告発の詳しい内容は把握していないが、捜査には全面的に協力する」としたうえで、「(死亡した女子生徒の)ご遺族に直接謝罪ができるよう努力していく」と話した。

 同法の登録制は、北海道・知床半島沖で26人が死亡・行方不明となった観光船沈没事故(22年)を踏まえ導入された。金子恭之・国交相は22日の閣議後記者会見で「二度とあのような事故を起こさないという決意の下、安全規制の強化などを図る中で今般の事故が起きたことは大変遺憾だ」と述べ、各地の地方運輸局などに同様の違反行為の通報窓口を設置することを明らかにした。

 事故は3月16日に発生。金井船長が乗った「不屈」と、後続の「平和丸」が相次いで転覆した。2隻には高校生計18人が乗船し、平和丸にいた武石知華(ともか)さん(17)が死亡するなどした。

 第11管区海上保安本部は、業務上過失致死傷などの疑いで捜査。捜査関係者によると、出航の判断をしたとみられる金井船長の死亡も影響し、捜査は長期化が見込まれる。【木村敦彦、平川昌範、喜屋武真之介】

毎日新聞

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