「覚悟はしている」イオンモールで不明の妻待つ夫 迫る72時間

2026/07/30 18:19 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 最大震度7の揺れが襲った熊本地震の被災地では30日、懸命の救助活動が続いた。31日夕には、生存率が大幅に下がるとされる「発生から72時間」を迎える。関係者らは安否不明となっている人々の無事を祈った。

 爆発事故が起きた熊本県嘉島町の「イオンモール熊本」では29日夜から30日にかけ、警察などが安否不明者を捜索した。

 「自分も捜索に行きたい。できるなら近くにおってあげたい」。30代の男性は30日午前3時ごろから、現場近くで祈り続けた。イオン内の洋服店で働いていた妻の安否が分からないためだ。

 男性は日中も厳しい暑さの中、捜索の様子を近くから見守った。「今も何度か電話をかけているが、つながらない。もう正直、ある程度覚悟はしている」と涙を流した。

 ◇7人が死亡、5人軽症

 イオンモール熊本では28日の地震発生当時、約3000人の利用客がいた。30分ほどで避難誘導を終えた後、爆発が発生。従業員も館外に逃げたが、一部の従業員は館内に戻っていた可能性がある。

 現場では救出活動が続いてきたが、30日午後の時点で7人の死亡が確認され、5人が軽症となっている。

 ◇日本製紙八代工場でも捜索続く

 一方、煙突が倒れた日本製紙八代工場(熊本県八代市)では11人が閉じ込められ、8人の死亡が確認されている。30日午後、残る1人が心肺停止状態で救出され、一連の活動が終わった。

 地元消防の担当者は市の会議で、工場内の捜索状況について「かなりスペースが狭くて重機を入れることができない。マンパワーで小型の機械を使っており、作業に時間がかかった」と話した。

 工場近くに住む会社員の男性(57)は「身近な工場での死者はショックだ」と話した。【巽賢司、栗栖由喜、山下智恵、中村敦茂】

毎日新聞

社会

社会一覧>