オンラインカジノ利用の8球団16人に制裁金計1020万円 NPB
プロ野球選手らが日本国内では違法なオンラインカジノを利用していた問題で、日本野球機構(NPB)の内部組織「日本プロフェッショナル野球組織」は24日、対象者の8球団16人に制裁金(罰金)総額1020万円を科すことになったと発表した。これまで、オリックスの山岡泰輔投手ら8球団15人の関係者が利用したとしていたが、新たに1人が申告したという。
制裁金はそれぞれの賭けの回数や期間、金額などにより異なり、10万~300万円。
日本野球機構と12球団は制裁金などを原資に計3000万円を、ギャンブル依存症対策に取り組む団体などに寄付する。
各球団は、オンラインカジノを使った際のパソコンやスマートフォン、クレジットカードなどの履歴をチェックし、それぞれの申告内容と差異がないかを確認した。野球を対象としたスポーツ賭博行為をした者はいなかったという。
日本プロフェッショナル野球組織の中村勝彦事務局長は「事態を重く受け止めており、おわびを申し上げたい」と謝罪した。今後、新たにオンラインカジノの利用が判明した場合、これまでに自己申告した場合と処分に差が生じる可能性も示唆した。
セ・パ両リーグが28日の今季開幕を控えるタイミングで制裁が決まった格好になる。同様のケースで、卓球Tリーグ選手が賭博罪で略式起訴される前に、所属先から契約を解除された例もある。
環太平洋大の友添秀則教授(スポーツ倫理学)は「制裁自体は問題ないが、大事なことは無条件に処分されるのではなくルールにのっとり公平公正に機関決定して、公表し、社会的な合意が得られる形で進めること。合理的な説明がない限りは『早く問題を片付けたい』との思いからの拙速な対応と見られても仕方がない」と指摘した。
甲南大の園田寿名誉教授(刑事法)は「日本の賭博罪は歴史的に『道徳的に取り締まる』という色彩が強い。単純賭博罪は最高刑が罰金50万円で『軽い犯罪』。プロ野球選手は活動できる年月が限られており、刑の軽さから考えると、出場機会を奪うのは重すぎで、罰金による処分は妥当」と述べた。【岸本悠、角田直哉、飯山太郎】
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