DeNA打線、データ生かし「集団戦」 リーグ制覇へ船出飾る

2025/03/28 21:34 

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 ◇DeNA―中日(28日・横浜)

 本拠地開幕となったDeNAの試合前セレモニーは、昨年の日本一を強調するものではなかった。スタッフは狙いを語る。「日本一は去年のこと。今年は果たせなかったリーグ制覇を狙うという意思をはっきり出したかった」。観客席に映し出された言葉は「王者へ」。二回に奪った2点目は新たな船出にふさわしい、狙い通りの得点だった。

 1点リードの2死三塁で打席は森敬斗。カウント2ストライクから、スプリットをとらえて左前適時打とした。「何としてでも、ランナーを還すことだけを考えて打席に入った」と森は振り返った。

 マウンドの高橋宏斗は昨季の最優秀防御率のタイトルを持つ右腕だ。150キロ超の速球と145キロ台半ばのスプリットが武器。DeNA打線はこのスプリットにポイントを置いていた。

 靍岡賢二郎オフェンスチーフコーチは試合前「高橋の速球もスプリットもほぼ同じ軌道で来るので判断は難しい。でも、スプリットを怖がらずに振っていくことで、相手も投げづらくなり、時に失投が生まれる」と分析していた。

 実際、序盤からDeNA打線はスプリットを積極的にスイング。二回の先頭だった宮崎敏郎はスプリットをとらえて左前打としていた。森自身も二回の初球はスプリットを空振りしていた。

 DeNA打線といえば、豪快さばかりが印象的だが、データを生かした攻撃が真骨頂。球界屈指の好投手に対し、「集団戦」を挑み、本拠地・横浜スタジアムに集まった過去最多3万3840人の観衆を前に成果をあげてみせた。【岸本悠】

毎日新聞

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