J1町田がまさかのオウンゴール 日本代表GK・谷がバックパス空振り

2025/03/29 23:12 

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 ◇アビスパ福岡2―2FC町田ゼルビア(29日・ベスト電器スタジアム)

 日本代表GKにとって、まさかのオウンゴールだった。町田のGK谷晃生がバックパスを前線へ蹴り返そうとしたが、空振りしてしまい、ボールはそのままゴールへと転がった。一時、福岡に勝ち越しを許し、「もう切り替えるしかない」と顔をしかめた。

 1―1で迎えた後半20分。DF岡村大八からのバックパスを谷はダイレクトで蹴り返そうとした。対戦相手の福岡は今季、前線からのハイプレスを徹底する。しかし、この場面では岡村にプレスをかけにいった相手MF名古新太郎のプレッシャーが特別きつかったわけではない。谷自身も「今日は(福岡のプレッシャーが)そんな来てなかった」と語った。

 谷は「ミスと捉えられるなら、そうだと思います」と潔く語ったが、実は理由があった。

 蹴る直前、ボールがわずかに高くバウンドし、振り下ろした右足とずれた。「受けるタイミングで、(ボールが)はねたって感じです。バックパスが結構速かった。イレギュラーがあったのに対応できなかったかなと思います」と振り返った。

 後半39分に町田が同点に追い付き、敗戦は免れた。失点に直結するポジションゆえに、ミスが大きくクローズアップされるが、J1昇格1年目ながら3位と躍進した昨季、リーグ最少の34失点の堅守を支え、今季もここまで3試合を完封している。

 黒田剛監督は「チームのみんなに迷惑をかけてしまったという彼の責任感は、我々が話をするよりも(本人が)痛感していると思う。こういうミスもあってはじめてサッカー。仲間みんなで補っていく、取り返していくところがサッカーのいいところだと思う」とおもんぱかった。

 また、指揮官は「同じミスが二度と起こらないようにマネジメントしていきたい」とも語った。バックパスの原則はゴールを外して蹴ることだ。今回のケースで、蹴るコースの選択が悪かったとは言い切れないが、リスクを減らす有効な対策にはなる。【丹下友紀子】

毎日新聞

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