大舞台で結果残したパラスノーボード 元木勇希コーチの細やかな指導
13日の男子バンクドスラローム大腿(だいたい)障害で小栗大地選手(SCSK)が銀メダルを獲得した日本のパラスノーボードチーム。きめ細かい指導でチームを支えてきたのが、健常者の全日本選手権で優勝歴もある34歳の元木勇希コーチだ。初のパラリンピックの舞台で結果を残した。
パラスノーボード日本代表の市川貴仁選手(エレマテック)や岡本圭司選手(牛乳石鹼共進社)とは、もともとスノーボード仲間だった。大会中に送られてきた動画に対し、アドバイスを返していた。「コーチをやってくれたらいいのにな」。選手の要望が実現し、2023年に日本代表のコーチに就任した。
元木コーチは小学生で大会に出始め、16歳の頃にプロ資格を取得。自身も競技を続けながら、スクールで子供たちへのレッスンも行ってきた。
指導歴は長いが、パラスノーボードに関わるのは初めて。
まず感じたのは、選手たちが板の持ち味を生かせていないことだった。「体だけでなんとかしようとしてしまっていた。道具をうまく使えば、仕事をしてくれる部分もたくさんある」。どのように板を使えば、雪面にうまく力を伝えられるかなど助言を送った。
障害により、個々でできる動き、できない動きが異なる難しさもあったが、相談して対策を考えてきた。
◇選手の滑りに変化
元木コーチの指導は、選手たちの滑りに変化をもたらした。
小須田潤太選手(オープンハウス)は「頭を使って競技をする人。自分もスノーボードへの向き合い方が変わった」と語る。代表チームの主将の小栗選手も「コーチ自身は健常者だが、義足でどう滑れるかを話し合ってくれる。チームにとって大きな存在」と感謝する。
45歳の小栗選手や44歳の岡本選手ら、元木コーチより年上の選手も多いが、チームの明るい雰囲気も手伝ってすぐに打ち解けた。厳しい指摘も冗談も言える関係を築いた。
今大会、日本のスノーボードチームは2大会ぶりにメダルを獲得したが、目指していた複数のメダルはならなかった。
気持ちは早くも次回大会へ向かっている。「さらに上を目指す手助けができたら。これからも日本代表チームをお願いします」。にこやかに頭を下げて、取材エリアを後にした。【コルティナダンペッツォ下河辺果歩】
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