経団連、新会長に日本生命・筒井義信会長が内定 5月に正式就任

2025/01/14 19:28 

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 経団連は14日に開いた会長・副会長会議で十倉雅和会長(74)の後任に日本生命保険会長を務める筒井義信副会長(70)を内定した。筒井氏は5月29日の定時総会で正式に就任する。金融機関出身の会長は初めて。これまで製造業を重視してきた経済界にとって象徴的な人事となる。

 14日に報道陣の取材に応じた筒井氏は「大変光栄なこと。同時にその使命と責任の重さをひしひしと感じている。歴代会長のたゆまぬ取り組みを受け継ぎ、成長と分配の好循環を通じた日本経済の持続的発展に全力を尽くしてまいる」と述べた。

 経団連会長は副会長か、副会長経験者から選ばれるのが慣例。経済界の考えを時の政権の政策に反映すべく、産業の裾野が広い製造業出身者が大半を占めてきた。非製造業は筒井氏で3人目。

 筒井氏は脱炭素化や社会保障制度改革などに明るく、日本社会の課題解決に向けて政府に直言することが求められる。また、関税強化などを掲げるトランプ次期米大統領への対応で産業界代表としての発信力が問われることになる。

 同日記者会見した十倉氏は「社会性の視座に立ち、成長と分配の好循環を継続して、公正公平で持続可能な経済社会を実現してほしい」と期待を込めた。

 ただ、金融業界は金融庁の監督を受ける立場のため、政府に対して萎縮しかねないとの指摘もある。十倉氏は「経団連会長は個別の企業や業界の利害を離れて、日本経済全体の発展と国民生活に向けての正論を発信することが求められる。規制業種だからといってモノを言いづらいというのはあってはならないし、ないと思う」と説明した。【道永竜命】

毎日新聞

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