粉飾決算で倒産、24年は過去最多95件 なぜ不正を見抜けないのか
昨年5月に閉校した「愛知中央美容専門学校」の親会社が粉飾決算で銀行から融資金を詐取したとされる事件で、愛知県警捜査2課は19日にも、別の銀行からも約10億円をだまし取った疑いが強まったとして、名古屋市中村区の携帯電話販売会社「アミックテレコム」(倒産)の元社長、青木隆幸容疑者(68)=東京都千代田区三番町=ら3人を詐欺容疑などで再逮捕する方針を固めた。
粉飾決算をした企業の倒産が増加している。帝国データバンクによると、2024年に負債総額1000万円以上で倒産した企業9901件のうち、粉飾決算が確認されたのは過去最多の95件(前年比20・2%増)に上り3年連続増となった。
コロナ禍前から増加傾向にあったが、コロナ対策で実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)などの支援策が実施された影響で、経営不振が表面化しづらい状況が続いていた。23年以降に返済が本格化すると、支援で延命していた企業の破綻が顕在化。そのタイミングで不正が発覚するケースも目立った。
融資の際、金融機関は企業の財務状況をチェックし、貸借対照表(バランスシート)などの決算書類や預金残高を分析するなどして融資の可否を審査する。ただ、1人で複数の企業融資を担当することも多く、粉飾決算の手口も巧妙で、厳格な審査でも見抜けない場合があるのが実情だ。
一方、金融機関の担当者は融資実績が営業評価につながるため、融資先の新規開拓などが求められ、そうした中で焦りが生まれ、チェックが甘くなるケースもあるようだ。
ある銀行の担当者は「融資は企業との信頼関係が前提にあり、はなから疑ってかかるのは難しい」と打ち明けた上で、「銀行のシステムや教育の至らなさにも問題があるのではないか」と自省する。
また、過去に融資先企業で粉飾決算があったという別の銀行関係者は「振り返ると、矛盾点に気付く余地はあったという反省もある。失敗から学ぶことと、企業との綿密なコミュニケーションも重要になる」と話した。【田中理知】
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