ベッセント米財務長官、G20欠席へ 異例の対応、関税議論見込めず

2025/02/20 09:41 

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 ベッセント米財務長官が南アフリカで今月下旬に開かれる主要20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議を欠席する方針と複数の米メディアが19日に報じた。G20は米欧日に中国やロシアなども加わり、世界経済の課題を論じる国際会合。世界1位の経済大国である米財務長官が出席しないのは異例だ。

 今年は南アがG20議長国で、1回目の財務相・中銀総裁会議を26、27日にケープタウンで開く。米紙ニューヨーク・タイムズによると、ベッセント氏は来週は国内問題への対応に集中するためG20を欠席する方針で、代わりに財務省高官を派遣するという。

 1月20日に発足したトランプ政権は、鉄鋼・アルミニウム関税や貿易相手国への個別の「相互関税」など複数の関税強化策を表明しており、世界経済混乱の懸念が強まっている。G20ではこうした問題について各国が米国に真意を問いただす可能性もあったが、「主役」であるベッセント氏が不在となれば具体的な議論は見込めなくなりそうだ。

 G20を巡っては、ルビオ国務長官も20、21日にヨハネスブルクで開かれる外相会議を欠席すると表明済み。トランプ大統領が2月上旬、南アの土地収用に関する政策に関し「特定の階層の人たちを非常に悪く扱っている」などと主張して外交的圧力をかける姿勢を示しており、主要閣僚のG20欠席の判断に影響した可能性がある。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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