スイッチ2、早期普及へ生産体制を強化 任天堂社長 一問一答

2025/05/09 05:30 

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 任天堂の古川俊太郎社長が8日の決算記者会見に出席し、6月5日に発売する新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」の販売見通しなどについて語った。記者会見での主なやりとりは以下の通り。

 ――発売初年度(2025年6月~26年3月)のスイッチ2の販売予想台数を1500万台とした根拠は。

 ◆17年3月発売したニンテンドースイッチは同年12月末までの10カ月で、販売台数が約1500万台だった。それと同等の水準を目指す。スイッチ2は販売単価も高くなるなど、早期普及にハードルがあると認識している。

 一方で、スイッチ2でスイッチのソフトも遊べるなど、プラットフォームに継続性がある。初年度は普及が加速されることを重視して(ソフトとゲーム機をセットにした)同梱(どうこん)版も投入することなどからこの台数とした。

 ――日本国内でスイッチ2の予約抽選に当選する確率が低くなっている。供給体制についてどのように強化しているか。

 ◆事前に多くの部材を調達し生産を進めてきたが、(自社通販サイトの)「マイニンテンドーストア」の抽選予約販売では、事前の想定を大幅に上回る応募があった。そのため、4月24日の第1回の当選発表で相当数のお客様が当選されない結果になるとお伝えした。第2回の抽選販売の数量を含めても、応募全てに応えることはできないことが想定されるとお伝えしている。

 今後も相当数を生産・出荷していく計画を立てている。直近の需要を受け、さらに生産体制を強化するなどの取り組みを行っていく。販売店の協力も仰ぎながら、皆様のお手元に少しでも多くスイッチ2をお届けできるように努力を続けていく。

 ――トランプ米政権の関税強化策の影響をどのようにみているか。

 ◆非常に不確定な状況で、米国市場で価格調整を行った場合、需要への影響というのを正確に推し量るのは、非常に難しい。今後さらなる追加関税が課された場合に価格調整を行えば、需要が減少する可能性もある。

 関税により、生活必需品や食料品が値上がりした場合は、ビデオゲームに使われる予算が減る影響も出てくる可能性はある。ニンテンドースイッチ2の魅力をしっかりと伝えることで販売につなげていきたい。

 ――関税について、どのような場合、本体価格に転嫁するのか。

 ◆どの国や地域においても、関税が課される場合には、コストとして認識し、価格に織り込んでいくのが基本方針だ。一方で、今年は8年ぶりに新しいゲーム機を発売する年にあたり、勢いの維持や早期の普及拡大にも優先順位を置いている。こうした点を多面的に考慮の上、どのような価格調整を行うか検討し、実施していきたい。【妹尾直道】

毎日新聞

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