韓国大統領選 保守系与党、候補一本化の調整難航 党内対立が深刻化

2025/05/09 11:25 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 6月3日投開票の韓国大統領選を巡り、保守系与党「国民の力」の予備選を勝ち抜いた金文洙(キム・ムンス)・前雇用労働相(73)と、無所属での出馬を表明した韓悳洙(ハン・ドクス)・前首相(75)の一本化に向けた調整が難航している。

 一本化を急ぐ与党執行部に金氏が激しく反発し、党内対立が深刻化。11日の候補者の登録(届け出)終了までに一本化が実現するかは見通せていない。

 大統領選では、進歩系の野党「共に民主党」から出馬する李在明(イ・ジェミョン)氏(61)が高い支持率を維持。保守系が対抗するには金氏と韓氏のいずれかが出馬を見送り、一本化することが必須だ。各種世論調査では、韓氏が金氏を支持率で上回る例が多い。

 届け出後に一方が立候補を取り下げることも可能だが、与党執行部は世論調査を実施して届け出前に統一候補を決める方針だ。韓氏はこれに応じる姿勢を示す。

 だが金氏は「私を引きずり下ろそうとしている。強制的な一本化の作業は中断すべきだ」と激しく反発。2人とも届け出をして論戦を行った後に世論調査を実施して一本化を図るよう求めている。韓氏と文氏は7、8の両日に会談して解決策を探ったが、結論は出なかった。

 世論調査会社「リアルメーター」が5日に発表した大統領選の支持率調査では、李氏が他の候補をリードしている。李氏、金氏と保守系野党「改革新党」から出馬予定の李俊錫(イ・ジュンソク)氏(40)の対決構図では、李在明氏46・6%、金氏27・8%、李俊錫氏7・5%だった。一方、李在明氏、韓氏、李俊錫氏の対決では順に46・5%、34・3%、5・9%となった。国民の力は、李俊錫氏も巻き込んだ保守勢力の結集を図る方針。

 過去には一本化が成功した例もある。2022年の大統領選では保守系の安哲秀(アン・チョルス)氏が届け出後に保守勢力の一本化要求に応じて立候補を取り下げ、国民の力の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が当選した。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

国際

国際一覧>